クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 小技・裏技編 】
095. 当たりもとれる便利モノ、ふかせウキゴムなら一石二鳥。 【 橋本敏昭 】
 私がホームグラウンドとしている宮崎県北の島野浦という釣場は、平均して水深がある。それでいて、潮の流れは非常にゆっくりしている。また、寒グロの好機は北西の季節風が吹き続け、島野浦はベタ凪状態が続く。そのため、型がいいクロほどスレていて、非常に釣りにくいという特徴がある。

 そんなところを攻めるのに、私は全遊動という釣り方をしているが、まったく同じ仕掛け、同じエサでありながら、仕掛けが沈む速度は条件によってかなり違う。ガン玉1号でもなかなか沈まないことがあるかと思えば、6号でも沈みすぎる場合がある。 風や潮の速度以外にも、海水の塩分濃度、潜る潮・浮上する潮、重い潮と軽い潮など、さまざまな条件が影響しているのだろう。

 さらに、私は竿やリールを手入れするのにボナンザを使っているが、それがハリスに付着すると沈み方が変わるような気がしないでもない。したがって、釣場でボナンザスプレーをかけたときは、必ず海水で手を洗って、できるだけハリスにボナンザが付着しないよう気を使っている。 もっとも、Lパワーはその限りではないようであるが・・・。

 ともあれ、自分の仕掛けがどのように沈んで行っているかを正しく把握しなければ、目の前の状況に対処できない。 ふかせウキゴムを愛用するようになった出発点はそこ ― 自分の仕掛けがどんな沈み方をしているかを知りたいというものだった。

 その前の段階として、三原さんからは遊固ハリスうきの使い方を、また宮川さんからは宮川ナビの使用法を教えてもらっていた。しかし、どちらも仕掛けを宙層の流れに乗せるという目的がある。 自分としては、純粋にどの方向へ沈んでいるかが分かればよかった。宙層の流れに乗せる必要はないから、いわゆるハリスウキでは大きすぎる。 たまたま、四国で蛍光色のゴム管を入手し、それを使ってみたところ、自分が望んでいた目的にぴったりとマッチした。 さらに、樺゙研からふかせウキゴム、フカセからまん棒が発売され、今はこれ一本で通している。 ただ、ふかせウキゴムは小さいから一つでは見にくい。フカセからまん棒を上下から挟むと、少しは見やすくなる。それでも、視認できる水深は1〜1.5m程度だろうか。太陽の位置や海水の透明度、波、距離などにもよるが・・・。

 実際に使ってみて、上層と宙層は日常的に流れが異なっていることが分かった。上は右、下は手前に流れたりしていることが、珍しくもなんともないのである。 視認できる範囲で当たりがあれば、まずふかせウキゴムの動きに変化が表れる。横へ走るか、沈む速度が速くなるか、それとも止まるか、いずれにしてもそれは前当たりだと判断し、すぐ合わせの態勢に入る。


シンプル・イズ・ベストを心がけているフカセ釣りファンにとっては、どうしても必要な小物なら極力小さいほうがいい。フカセからまん棒は、そのような要望を満たすために開発された。さらに、ふかせウキゴムとセットで使用すると水中での視認性は非常に高くなり、先ウキとしての役割を果たす。
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